ヤマハ(池袋)

そういうわけで、一応ヴァイオリンは決まったのだけれど、一番始めに見た感じいいなぁと思ったヤマハのブラビオールV20を試奏もせずに決めてしまうのは納得いかなくて、浮間舟渡まで戻っていたけど先生と別れて、池袋のヤマハまで引き返して試奏をしてみる事にした。

ヤマハのヴァイオリンについて思うこと

ヤマハがアコースティックヴァイオリンの販売を始めてから5年という事もあって、歴史がないのは確かだと思う。
そう言う事もあって、長年ヴァイオリンをやっている人からしたら、昔からヴァイオリンを作っているメーカーや、ブランドと比べると、選定する対象にもならないのかもしれないけれど、人の話を鵜呑みにして、物事を決めるのはイヤな人なので、是非とも試してみたいと思って。
自分が技術者という事もあって、名器の測定・分析などの研究をベースに、現代の技術を駆使して作ったヴァイオリンを、職人さんが調整して完成させていると言うヤマハのヴァイオリンには期待しているし、足りない伝統を技術で補う事は出来ないのかなぁと言う思いも。
現代の科学技術を駆使しても、ストラディヴァリウスを作れないと言う話は良く聞くし、音楽は数値で表せるスペックだけではないと言う事はわかるのだけど、頑張っているんだからちょっとぐらい近づけてもいいんじゃないかな〜。
そこまで言うなら、ヤマハの最高峰であるアルティーダを選ぶべきなのかもしれないけど、趣味でやっている自分にはさすがに70〜100万円の楽器は手を出せないので、今回対象とするのはブラビオールV20(定価21万円)。
ヴァイオリン本体の価格差は2万円ほど。価格帯的には同じようなものだと思うんだけど、どうなんだろうとか考えつつ歩く。

ヤマハブラビオール V20試奏

池袋東口にある、ヤマハに到着後、係の人に試奏したい旨伝える。
外観は、Webで見たとおりで凄く綺麗。
秦さんの楽器は、ちょっと表面処理とか、ニスの塗りが綺麗ではない部分もあったりするのだけれど、ブラビオールの方は文句の付け所がない程美しい仕上げ。
おまけに柘植だし、まさにイメージ通り。
柘植と言えば下倉楽器のシモーラも柘植だけど、仕上げはブラビオールの方が綺麗な気がする。
……とは言え、美術品じゃないので弾いてみないと判断は出来ないので弾いてみると、秦さんの楽器で気になったD線の響きも良いし、低音がスムーズに出るような気がする。
ヤマハの人には悪いと思ったけど、秦さんの楽器も出して交互に引き比べてみると、秦さんの楽器の方が厚みがある音だとは思うんだけど、ブラビオールの方がどの弦も素直に音が出て、音も凄く良く響いて弾いてて気持ちが良い気が。
見た目が好みなので、良いように思えてしまっているような気もするし、困ったなぁ……と思っていたら先生から電話が。
ブラビオールはどうですか?って聞かれて、凄く素直に音が出て、楽に弾ける気がしますと言うと、翌日ヤマハに行く用事があるからと先生も試奏してみてくれると言う。
月曜日だったら、仕事の都合がつくのでそのとき一緒に行くことにした。
それにしても、これだけ色々付き合ってもらえてありがたいなぁと思う。